2012年9月22日に行われた、CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」参加レポート。
今回でラストです。
予想以上に長くなってしまってしまいました。
今回のレポートでは、
外部リンク獲得のためのコンテンツプランニング
~プランニングを成功させるために重要なたったひとつのこと~
松尾 茂起(まつお・しげおき)氏
事例で考える『SEOの力』
辻 正浩(つじ・まさひろ)氏
のセッションをレポート致します。
とても勇気を貰った後半のセッション
外部リンク獲得のためのコンテンツプランニング
~プランニングを成功させるために重要なたったひとつのこと~
株式会社WEBライダー
松尾 茂起(まつお・しげおき)氏
松尾さんのセミナーでは、主に外部リンク獲得に関する方法や、考え方について、説明されていました。
松尾さんの書籍『WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル』にも記載されていましたが、この内容を、分かりやすく、より要点を絞ってお話されていた印象があります。
なぜ外部リンクが大切なのか?
外部リンクとは、サイトの人気投票であり、ドメイン内の何らかのページに貼られた何らかのリンクは、そのドメインの評価を底上げする。
サイト内部の状況はコントロール可能だが、外部リンクは(基本的に)コントロール出来ない。
コントロールされたリンク(自演リンクや、有料リンクの購入)はGoogleからの警告、ランクダウンに繋がる危険性も理解する必要がある。
「リンクが張られる」事について考える
Googleは全てのサイトからのリンクを平等に評価している訳ではなく、信頼できる(オーソリティがある、似たジャンル)サイトからのリンクを、より評価する傾向にある。
信頼出来るサイトからのリンクの1つとして、ソーシャルメディアからのリンクがある。
ソーシャルメディアからのリンク=実在する人からのリンクになる。
そして、ソーシャルメディアからのリンクを得るためには、リンクを貼る人の心理を知らなければならない。
大きく分けて2つ、保存すること、人に紹介すること
保存…はてぶ
紹介…ブログ、Twitter、facebook、Google+、naverまとめ、Q&Aサイトなど
※facebookはnofollowリンク
Twitterは、先日、一部のみnofollow属性が外れました。
紹介されるには理由がある
- 共感願望
- 自己顕示欲(例:診断系コンテンツ)
- 自己のブランド強化
ソーシャルメディアからのリンクは、上記の3つの心理が特に重要となる。
紹介する人の心理を考えてコンテンツ設計を行う事が大切。
では、どんなコンテンツが人気なのか?
これは、調べる事で分かる。
はてブ、NAVERまとめを調べる。
まとめコンテンツは人気だが、まとめられる側のサイトになる事が大切。
まとまっているコンテンツではなく、まとめサイトの1ピースになれるような、分割されたコンテンツになっている方が、まとめてもらいやすい場合が多い。
※ここから下は、各ソーシャルメディアの特徴です。
■TwitterとFacebookを比較
・Twitter…匿名ゆえの拡散力=祭りの心理
・Facebook…実名ゆえの抑止力
・Twitterでバズると、はてなブックマークでもバズりやすい
Tiwtterで紹介される=はてブにブックマークされている事が多い。
はてブホッテントリ入りすると、更に拡散される可能性が高い。
■NAVERまとめ
注目まとめに入るとPVがかなり伸びる
■Google+
G+は人気の投稿がピックアップで紹介される
G+はウェブマスターツールにGoogle+1の分析項目がある
※Google+は人気自体は低いですw
■Facebook
あまり意識しなくて良いのでは?
WEBライダーははFBはほとんどSEO上で重要視していない
※これ、興味深かったです。抑止力ってリンク獲得には少し邪魔なのでしょうかね?
重要なことは「人を動かす」ということ。
・人々が紹介したいと思わせるようなものを作った方がいい。
・小手先のSEO技術よりも人間心理を知っておいたほうがいい。
「リンクを張るのは人間である」
面白いですね。
札幌でもWeb制作の発注に関する所で、似た様な事が言われていましたが、発注するのも人なんですよね。
人に最適化する大切さは、ソーシャルメディアの台頭により、更に意識する必要が出てきた気がします。
Q&A
■どうコンテンツを作っていけばいいか
コンテンツを作るのにセンスは必要ない。
大事なのは何が流行っているのか分析すること。
分業が大切で、自分の力だけで全てを行う必要は無い。
誰かと話しながらやった方が良い。
■「人を動かす」はマーケティングに関わる人全員読むべき良書
事例で考えるSEOの力
フリーランスのSearch Engine Optimizer
辻 正浩(つじ・まさひろ)氏
今回のセッションで唯一、具体的なサイト名を出して実際に行われた事、その効果、何故、その結果が出たのか?という事を知る事が出来ました。
個人的に、最もSEOの力を感じ、最も元気を貰ったセッションでした。
nanapiで行ったSEOの事例紹介
nanapiの特長、魅力
ある程度品質が担保された様々なジャンルのノウハウが大量に掲載されている。
質の高いコンテンツが大量にある。
最も優先した事
ユーザーに支持されるかどうか。
検索エンジンではなくユーザーに支持されるかどうか。
行った施策の一例
・無駄なページの検索エンジン認識解除
・一部のソート、絞りこむはインデックスさせ続ける
インデックスさせるページは絞りこみが必要。
すべてのページをインデックスさせることが必ずしも最善な施策とはならない。
インデックス制御はとても大切だと思います。
最近は、僕もインデックス制御を行いまくっています。
塵も積もれば的にでも行います。
知恵が必要
SEOにおけるベストプラクティスはすべてのサイトに適用されない
SEOは知識だけではできない、ある程度の知恵が必要
仰る通りですね。ググって分かる程度の知識は不要という事です。
徹底的な構造化
7つしかなかったジャンルが1000を越えるジャンルになった。
内部リンクで徹底的な構造化を行った。
その他の施策
- テンプレートの修正
- ドメイン統合
- 検索エンジン向けサイトマップ清書
- キーワードリサーチ体制
- 内部リンクの修正
- テキストライティング関連
- 重複コンテンツの解除
- クローラ制御
- 早期インデックス施策
- リニューアル時のSEO確認
etc…
カテゴリを階層分したのはその中でも重要な施策。
継続的なコンテンツの増強
1年で記事が3倍前後に増加した。
でも無駄ページのインデックス制御はnanapiさんが自主的に続けていたそうです。
この辺りは辻さんのディレクションの素晴らしさもあるのでしょうね。
魅力的な見せ方の追求
検索結果での見え方とFBリンクとしての見え方プレビュー。
CMS上でHTMLtitleとogtitleを分けて書ける。
検索エンジンでの見え方以外の部分も押さえている、というのがすごいですね。
SEO担当が貢献できること
辻さんが行ったこと
勉強会を実施→同じ方向を向けるように
簡単で確実な施策から開始→まずは成果で信頼を
成果の共有→SEOの価値をご理解いただく
方向性の共有と、成功体験、そして信頼を積み上げて大きな施策、大きな成果へ結びつけています。
SEO担当者としてもベストプラクティスだと思います。
これは遠い話なのだろうか?
特定ジャンルに限定すればnanapi以上になることは可能
自分のサイトに活かせなければ意味がありません。
サイトの強みを見つけて、特定ジャンルでnanapiを目標にするのも面白いかも知れません。
事例から考えるインハウスSEOに必要なこと
学習
「検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書」がおすすめ!
ほとんどの人がこの本を挙げるのでは?
僕も読みました。超オススメです。
トライ&エラーの環境
気軽に実践できるWebサイトを持つ
後から変えられるSEOの施工
実践は本当に大切です。
実践しなければ、本当の所は分からないと思います。
変化を把握
サイトを変更したときの
表示内容・クリック率
新しい流入キーワード
流入数(順位)
この辺りは正しく捉えるのが難しいかも知れませんが、渡辺さんのセッションでも出てきた通り、施工の記録を残しておくことで生きると思います。
一人でSEOはできない
他の担当者にネガティブな要求・感想を伝えるのではなく「ここを変えてくれたので、このように良くなった。なので、ここがこうだったら成果に結びついたはず!」というようなポジティブな伝え方をすることでモチベーションが高まる。
SEOに限らずですが、プラスの言葉で鼓舞する、というのはプロジェクトの進行を加速すると思います。
反対の環境だと言わずもがなですねw
成功したSEOの力は大きい
SEOでできることは色々あるが、メインは集客。
集客さえできればWEBサイトの流れを一歩先に進めることができる。
SEOのちからはもっと大きくできる。
自分のサイトにある”SEOの埋蔵金”を探し、活かそう。
SEOの埋蔵金、という言葉好きです。
Q&A
■デマンドメディアがパンダアップデートで流入を落としたが、nanapiには影響あったか?
デマンドメディアはユーザーにとって価値のない低品質なコンテンツが多かったがnanapiは記事の品質を高く保っていた(ネット上の記事の平均値よりは高い)のでパンダアップデートは心配していなかったし影響もなかった。
■検索エンジンが記事の品質をどう見ているか
サイト単位で見られているので低品質なサイトにひとつだけ高品質な記事があってもサイトの品質は低く見積もられる。”騙す”という観点ではなくユーザー目線に立っていれば検索エンジンは評価してくれる。昔は簡単に検索エンジンを騙せたが今では難しい。
ウィルゲートの吉岡さんの質問でした。質問のレベルも高いですね。
ちゃんとしたコンテンツを作った上で、それを助けるのがSEO。
SEOチームだけでなく様々な部署とコミュニケーションをとるべき。
コンテンツが無ければ、SEOは出来ませんからね。
辻さんのセッションはツィートがまとめられていました。
#cssnitelp24 辻大先生による、「事例で考える、SEOの力」 – Togetter
今回の記事のまとめ
全3回になりましたが、CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」参加レポートが終了しました。
実際は、この後、懇親会へ行って、ネットでしか知らなかったブロガーさんにお会いしてお話したり、スピーカーを務められた方と、お話したりと、それは楽しいセミナーになりました。
東京まで行って本当に良かったと思います。
また、来年も行われるそうですが、参加しようと思います。
改めまして、お忙しい中、お話される内容を考えてまとめて下さったスピーカーの皆様。
CSS Niteの運営を行なって頂いた実行委員会の皆様。
会場でお会いした皆様。
ありがとうございました!
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」レポート
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」へ参加しました(前編)
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」(中編&ツール・サイト紹介)
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」へ参加しました(後編)【本記事】
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」(2012年9月22日開催)
CSS Nite LP24「インハウスSEO」が終了しました | CSS Nite公式サイト
CSS Nite LP24「インハウスSEO」 – Togetter
余談ですが。。
地元ネタですが、札幌でも今年、アクセス解析のセミナーとリスティング広告のセミナーがありました。
アクセス解析では、小川卓さん、リスティング広告では阿部圭司さんが来てくれました。
SEOのセミナーは、まだ開催されていませんが、SEOセミナーを札幌でもしてみる、というのは如何でしょうか?w
札幌での出前セミナー開催も、お待ちしておりますw
※本ブログに記載されている情報は、私の見解に基づく場合が多々ございます。 掲載記事を参考にした事による損害については、その責任を負いかねます。 自己責任で、掲載情報を参考にして頂ければと思います。