先日、僕が担当しているサイトの被リンクペナルティからの回復事例について記事にしました。
約3ヶ月を費やした訳ですが僕が回復の為に仕掛けた最も大きな施策は、ナチュラルリンク獲得策でした。

今回はサテライトサイト運用から広がったナチュラルリンク獲得について書きたいと思います。

サテライトサイトをキチンと運用する

最近のSEO業界ではサテライトサイトという言葉が自体、あまり良いイメージで使われる事は無い様な気がしていました。
個人的にも、自演リンクの為だけに作成したサテライトサイトは、被リンクペナルティになり得る、とすら考えていました。

ちなみに、SEOブログなので分かりやすくサテライトサイトと記載していますが実際にはスタッフブログを作りました。
その時に決めた事は以下の3点です。

独自ドメインは取得していません。
外部からライターを利用してもいません。
無料ブログサービスを利用してスタッフブログを運用しています。

これは予算感的な部分も大きいのですが、単純に、最初から、ある程度オーソリティのある別ドメインからのリンクが欲しかった事が理由です。

なので、本サイト内にブログコンテンツを作る事もしませんでした。

ただし、本サイトに関連するジャンルのオリジナルの記事をしっかりと書いてもらおう。
とは考えていました。

顧客層から運用する無料ブログを選ぶ

クライアントサイトの購買層が分かっていたので、無料ブログ利用ユーザーに、何となく同じような年齢層の方が多そうなものを選択しました。
これは、感覚的なものです。
大手のものを使っておけば間違いないかな、と思います。

ジャンル登録をすると、新しく出来たブログが紹介される機能があったりしたので、そこもポイントでした。

ブログ記事の作成にルールを作る

まずは、本サイトと関連性のあるブログにして欲しいと感じていたので、記事を作成するルールを作りました。
あくまでもサテライトサイトとしての価値を高める事で、ユーザーと被リンク元サイトとしての価値を高める事が目的でした。
以下に当初決めたルールを紹介します。

  • 日記の様に今日あった事の羅列は書かない
  • 自分の仕事を通じて得た知識は、どんなに小さい事でも記事にする
  • 文字数の制限なし。1記事は短くても長くても問題ない
  • 顧客からの感謝の言葉は本サイトに記載する
  • コメントを頂いた場合は早めのレスポンスをする
  • その人がブログを持っていた場合は積極的にコメントし、その際のアドレスは本サイトのものにする
  • まずは1ヶ月以内に20記事作成を目指す
  • 出来るだけ記事の中に本サイトのURLを記載してリンクする
  • 記事の内容が浮かばなくなった時は【allintitle:】を使ってネタ探し
  • 被リンクしてくれたサイトは必ずブログで紹介して相手のブログのコメント等でお礼をする(もちろん本サイトのURLを書く)

大体、こんな感じです。
僕はSEO業界に来る前までは、メディアの運営などをしていまして、Web系では無い部門の人にも情報発信のお願いをしていたのですが、ルールを決めた方が積極的に発信してくれる印象がありました。
なので、してはいけない事も含めてルール化しました。

結論から言いますと、約1ヶ月で余裕で20記事以上が完成して、まずまずのサテライトサイトになりました。
協力してくれた事に素直に感謝です。
そして、結果が出なかったらどうしよう、と結構ドキドキしていました。

交流から生まれたナチュラルリンク

良質な記事があれば、サテライトブログからのリンクも、ある程度効果があるだろう、と考えていたのですが、僕が思っている以上にスタッフブログの評判が良くなりました。
25記事ころからだったと思いますが、徐々にリンクしてくれたサイトの紹介が多くなってきました。

記事を書いているのは美容系のサイト(というか実店舗)のスタッフなので、その道の専門家、プロです。
そういった方が発信する情報は説得力があったのか、思った以上にコメントを貰っているな、と思っていました。

ルールにある通り、積極的に交流をしてもらって、ユーザーがブログを持っている場合は、積極的にコメントしてもらいました。

ただ、リンクしてくれている顧客のブログを見ていて気付いたのですが、リンク獲得の起爆剤はブログの内容では無く「スタッフが親切だ」という対応についてでした。
質の高い記事が書ける様になれば自然に被リンクを集めると考えてスタッフブログを立ち上げる提案をしましたので、正直、予想外の結果です。

そこで、サテライトブログ運用の2ヶ月目くらいから、以下のルールを追加しました。

コメント内で質問を貰った場合は、コメント返信した上で”更新予告をして”掘り下げた内容の質問の答えになる記事を書く。

スタッフが親身に対応してくれますよ、という事をアピールする方がリンク獲得に効果的だと考えたからです。
このルールで運用する事で、更に顧客との交流が増えリンクの数も増えました。

リンクを集めるのはコンテンツだけじゃない

ユーザーにとって質の高いコンテンツを作る事がナチュラルリンクを集めるコツだと思っていたので、「スタッフの対応」でリンクが集まるとは思っていませんでした。
何百というリンクが集まった訳ではありませんが、それでも100近いナチュラルリンクの獲得を約3ヶ月間で得ることが出来たのは、僕自身驚いています。

対応事例でも紹介した通り、競合サイトも多数ある中で中小企業の普通のサイトに、それだけのリンクが集まったのは驚異的だと思いませんか?

良質なコンテンツに悩んでいるサイト運営者の方は少し視点を変えて顧客対応の強化に力を入れてみては如何でしょうか?
良質なコンテンツの作成は難しいかも知れませんが、良質な対応はちょっとした心がけで出来てしまうものですよ。

今回の記事のまとめ

僕もブログで何度もコンテンツ第一だと言い続けて来ましたが、それだけで勝負するのは実はかなり難しいのかも知れません。

コンテンツを作る時の産みの苦しみは、もともと制作にいた僕自身、十分すぎるほど経験しています。
コンテンツ・イズ・キングなのは今でも変わらないと思います。
だけど、視点を変えてみることも効果的だと思いました。

特にBtoCのサイトを運用されているウェブマスターの方は、勇気を振り絞って顧客との交流をしてみては如何でしょうか?
やり方は簡単です。
自社の商品名などで検索して出てきたサイト(ブログブログなど)にあるコメント記入箇所やコンタクトフォームからお礼をするだけです。

正直、以前の有料リンクの数に比べると圧倒的に少ない(当たり前)ですが、純粋に顧客が良いと思って付けてくれたリンクは、検索順位の向上だけでなく良質な顧客も運んでくれます。

本来、リンクはユーザーの流入を増やす目的で付けるものですよね。
ナチュラルリンクを集めて順位回復をさせる事に躍起になってしまい、僕もいつの間にか本質を忘れて検索順位ばかり気にするSEO脳の人間になってしまっていた様子です。

反省ですね。

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